Papers2に似た文献管理アプリ「Bookends」
Papers2がMacのバージョンアップで動かなくなって以来、しっくりくる文献管理アプリが見つからずにずっと困っていました。High SierraくらいまではPapers2が問題なく動いていたのですが、その後はついにアプリがMac OSのアップデートについて行くことができず、起動してもすぐにアプリが落ちるようになってしまっていました。M1 Macに至ってはPapers2の起動ボタンを押してもウンともスンとも言いません。
しかし、ついにPapers2の代わりになりそうなアプリを見つけました。Bookendsです。何より、見た目がかなりPapers2に近い。
なぜか日本語タイトルPDFの150本くらいがうまく移行できなかったのと、ファイル名が非常に長いPDFファイルなど特定のPDFが上手く認識されませんでしたが、残りの大部分のライブラリは移行できました(しかしかなり大変でした)。
#Papers2 がMacのバージョンアップで動かなくなって以来、papers3、readcube、Zotero、Mendeley、Paperpileと渡り歩いてきたがどれもしっくりせずずっと泣いていた。が、ついに運命のアプリに出会ったかもしれん…。何より、見た目がかなりPapers2に近い。 #Bookends https://t.co/Wu80L6FAWG pic.twitter.com/uFvZbfJWPg
— レ点🧬 (@m0370) April 9, 2022
PapersからBookendsへの移行
まずReadcube Papersがクソな点としてライブラリのエクスポートができないという問題があります。したがってReadcubeからの移行ははじめから対象外です。
BookendsはPapers3からの移行は対応している(と公式には書いてあります)のですが、MontereyではPapers3も上手く動かないのでPapers3からの移行も一苦労です。まずはIntel Mac (MBP15 2015)のParallelsにpapers2が安定動作するSierraをインストールしました(あとから気づいたのですがSierraはPapers2の検索機能で表示が崩れるので、安定動作するHigh Sierraを選択すべきでした)。
Papers2もpapers3もライブラリは有料版Dropboxに置いてあるのですが、Papers3からBookends 14の移行は結局なんどやっても上手くいきませんでした。(Sierra上で移行しようとしても同じことでした。Bookends 14はSierraで動かず、旧版Bookendsは今売られているライセンスコードが通らず、Sierra上で移行する案も失敗します)
仕方が無いのでSierra上のPapers2で一旦Endnote XML方式でライブラリをエクスポートすることにします。XML式でエクスポートするとPDFは同時には移行できないので、PDFファイルだけ別途で移動する必要がありますが、PapersからエクスポートしたPDFファイルをBookendsが認識できるように、ファイル名を論文タイトルにするようファイル名を統一しておくとよいでしょう。
仕方が無いのでSierra上のPapers2で一旦Endnote XML方式でライブラリをエクスポートする(XML式はPDFは移行できないのでPDFは別途で移動する)。PDFファイル名は互いに認識できるようPapers2でもEndnotesでも論文タイトル名に統一しておく。 pic.twitter.com/kAeJt3Ihzx
— レ点🧬 (@m0370) April 9, 2022
そのままXMLをインポートすると構造化データに含まれる不要な項目まで入ってしまうので、正規表現が使えるテキストエディタで<custom3>と<source-app>の項目を削除します。削除するのは下記の正規表現に該当する部分ですが、ファイル数の回数だけ置換しなければならないので正規表現で一括置換可能なテキストエディタなどでXMLファイルを編集すると良いでしょう。
<source-app name="Papers2" version="2\.\d\.\d">Papers2</source-app>
<custom3>papers2://publication/uuid/(.{8}-.{4}-.{4}-.{4}-.{12})</custom3>
XMLをインポートするとannotation dataは全て移行できますが「PDFファイルが見つかりません」と言われるので、PDFファイル(あらかじめ同名でエクスポートしておいた)を全てBookendsの設定画面で指摘したattachmentのフォルダに移動します。するとBookendsが「あ、PDFファイルここにあったわ」と気づいてくれて表示可能になります。
これで移行は完了です。
移行は完璧ではない
理想的にはPapers2のファイル登録日まで移行できれば良かったのですが、これはBookends側に登録した日(つまり今日)になってしまうみたいです。文献データをPubmedなどから勝手に取ってくる機能はあるがPapers2のcommand+shift+Mのようなショートカットキーもありません(Papers3にも無かった)。
ライブラリ(Bookendsでは.bdbファイル)をDropboxなどクラウドに置くのは非推奨と公式FAQに書いてあるのですが、実際に複数マシンからコリジョンを起こすとどうなるかはまだ実験していません。(Papers2の場合は別名のデータベースファイルが作られる、Papers3は自動でマージされる)
ライセンスは為替と税を合わせて8,370円とまあまあするけど、MendeleyとPaperpileとreadcubeにサブスク課金したことを思えば安いもの。良いソフトには課金せよとクエスチョンバンクにも書いてあった。使うのが1人なら1ライセンスで複数端末にインストールすることは可能。
Papers2の魅力はメモ(Notes)が一覧できることと、Notesを含めて検索し結果をブラウズできることだけど、Bookendsは両方を実現している。ZoteroやPaperpileもメモ検索ができるけどZoteroは一覧性が低く、Paperpileはクラウドベースなのでファイルをパッパッと切り替えて見ることができない。 pic.twitter.com/KpnHqkNugX
— レ点🧬 (@m0370) April 9, 2022
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更新日:2022-04-09 閲覧数:1386 views.