レ点腫瘍学ノート

Top / 日記 / 2022年 / 4月10日

最善を祈り、最悪に備えよ

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Twitterで特定の診療科に伝わる格言に関するツイートが盛り上がっていました。がん診療の現場では「最善を祈り、最悪に備えよ」という言葉が昔から伝えられてきています。良い言葉だと思いませんか?

診療科ごとにいろいろな格言が伝わる

麻酔科で伝わる有名な言葉は「小児は小さな大人ではない」「病棟のルートは信用してはならない」「胃管挿入は麻酔科最難関の手技」などがあるそうです。

麻酔科の有名な言葉は「小児は小さな大人ではない」「病棟のルートは信用してはならない」「胃管挿入は麻酔科最難関の手技」などがあると思いますが、他科にも代々伝わるそういう言葉ありますか?

— 麻酔科まめお (@mameo_anes) April 8, 2022

このツイートのスレッド、非常に良い言葉が並んでいるのでぜひ見てみてください。

最善を祈り、最悪に備えよ

元々は海外から伝わったもので、英語で言うなら「Hope for the best, and prepare for the worst.」ですね。

がん治療にあたるときは、最善と思われる治療を行いつつも、がんという病気はそう甘くはなく、効果が無かった時や病状が進行した時の備えを常に頭に置いておかなければいけないと言うものです。これは医療者側が治療にあたるときにも、患者側が治療を受けるときにも当てはまる、がんと向き合うための心構えといったところでしょうか。

悲観しすぎて絶望に泣き明かすのではなく、心には常に良い方に向かうよう希望の光を持っておく。それと同時に、もし病状が思った方向に向かわなかった場合にどうするのか、残された時間をどう過ごすのかといった難しい問題からも目を逸らすことなく、良くない事態のことも頭の片隅には置いておかなければいけない、ということをあらわした言葉です。

フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの「ムーミン・シリーズ」と呼ばれる一連の小説と絵本に登場する少女リトルミイの言葉でもあるそうです*1

数年前の腫瘍内科ドラマ『アライブ がん専門医のカルテ』でも苦境に立たされた場面で主役の父親役である北大路欣也さんの台詞に「最善を祈り、最悪に備える」というものがありました。

別の言葉で置き換えるなら「人知を尽くして天命を待つ」とか、最悪に備えよという点だけを取り出せば「備えあれば憂いなし」にも近いかもしれませんが、「最善を祈り、最悪に備えよ」という言葉は厳しい局面の中でも希望を持たせるという姿勢が出ていて、好きです。

これは実際に患者さんや家族にも伝えるし本当に大切。人知を尽くして天命を待つ、とも言えます。 https://t.co/wmRuAtoIS7

— ねこまた見習い💙💛стою з україною (@vc_neco) April 9, 2022

この気持ちを忘れずに、がんと向き合ってゆきたいと思います。


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*1 https://saitama-sekishinkai-nurse.jp/blog/?p=10140

更新日:2022-04-10 閲覧数:603 views.