レ点腫瘍学ノート

Top / 日記 / 2024年 / 5月9日

免疫チェックポイント阻害剤の皮下注射製剤

腫瘍内科 皮下注

抗HER2薬のフェスゴ(トラスツズマブ+ペルツズマブ)が使われるようになっているが、抗PD-1抗体・抗PD-L1抗体でも皮下注射製剤が次々と第3相試験を終えて市場に投入され始めている。

ニボルマブ

皮下注射バージョンのニボルマブに関して米国FDAが審査しており、間もなく使用可能になる。エビデンスとしては第3相CheckMate-67Tがあり、これは皮下注射1200mgを標準治療の静注用ニボルマブと比較した臨床試験である。

https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.2024.42.4_suppl.LBA360

ペムブロリズマブ

ペムブロリズマブも最初は3週間と6週間を比較したKEYNOTE-555試験で皮下注群が設定されていたほか、第3相試験としてKEYNOTE-A86試験で皮下注群と静注群の同等性が確認されている。

https://www.annalsofoncology.org/article/S0923-7534(21)04723-2/fulltext

アテゾリズマブ

アテゾリズマブの皮下注射製剤も第3相IMscin001試験の結果が出てきている。OSおよび安全性などの指標では静注群と皮下注群では差は見られなかった。

https://www.jto.org/article/S1556-0864(24)00210-7/fulltext

さらに欧州ではこれが承認されているとのこと。

アテゾリズマブの皮下注製剤が欧州で承認
スイスHoffmann-LaRoche社は2024年1月16日、アテゾリズマブの皮下注製剤について、欧州委員会から承認を取得したと発表した。今回の欧州における承認は、フェーズ3試験であるIMscin001試験の結果に基づくもので、適応症は静脈内投与製剤と同一としている。アテゾリズマブの静脈内投与製剤は投与に30分…
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/202401/582806.html

日本でいつ頃出てくるのかぼくはまだ知らないが、トラスツズマブ・ペルツズマブ皮下注やペグG-CSFボディーポッドがいずれも「先行品がバイオシミラーに取って代わられるタイミング」に上市されたことを思うと、おそらく「ニボルマブのバイオシミラーが登場する直前」に市場投入してくるのかなあと予想。


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更新日:2024-05-09 閲覧数:286 views.