アライブ感想
アライブ感想 第7回
この回は、引きこもりの息子を抱えた膀胱癌再発の患者に焦点。このような引きこもりに限らず、高齢の親を介護しているキーパーソンに進行がんが見つかって「親子共倒れ」のようなケースはしばしば見ます。まあ、膀胱癌の再発化学療法もそこまで患者が入院ではなく通院での治療を希望しているなら通院でもよいのでは、という気がしなくもなかったですが。
それにしても、オンコロ先生の旦那の死について医療過誤!医療過誤!とオンコロ先生は大きく騒ぎ始めたからドラマの後半はそれがストーリーの肝になるのかと思っていたらあっさりと解決しましたね。ちょっと拍子抜け・・・。
アライブ感想 第8回
クリニクラウン
胚細胞腫瘍、これはドラマの題材に絶対に出てくるテーマだと思いました。固形がんを対象にしている腫瘍内科医もそうそう遭遇することはないと思いますが(私も主治医として直接診療にあたったことはないですが)、しかしその治療の概要や理論は腫瘍内科学の中では非常に重要なものとして認識されている疾患です。
ただ、胚細胞腫瘍の治療自体が今回のテーマになったというよりは若年がん患者の葛藤とそれを少しでも支えたいという取り組みに主眼があったようです。クリニクラウンはそれを象徴する存在でしょう。どうしても悲劇として描かれがちな難治若年がんを、上手に笑顔あふれる場面として描けていたと感じます。
抗がん剤治療を行わないという選択
そして最後の場面、民代さんが抗がん剤治療を行わない選択をした患者についてもその人生を明るく照らすように描かれていました。勝俣先生の監修が入っての描写なのかどうかわかりませんが、腫瘍内科が単なるケモ屋ではないことを表していて非常に良かったと思います。
抗がん剤治療は薬にもなり毒にもなる、その治療を行うかどうかはその人の(多くの場合残りの人生の大部分を)大きく様変わりさせるだけのインパクトがあるものです。したがって、化学療法をするのかどうか、するとしてどの程度の侵襲度の治療までを行うのかを決めるのは、慎重でなければならないと考えています。
ガイドラインで一番強い推奨度がついている治療を誰にも彼にも押し付けてしまう医師がダメなのはもちろんですが、治療も最新最強の治療が最善の治療ではないことを十分に認識した上で、自分が処方する薬物療法がこの人のこれからの人生にどのように影響するか(良い面も悪い面も、OS延長や副作用の強さだけでなく、もっと広い意味で)を考えられるのが腫瘍内科医に求められる役割でしょう。
腫瘍内科といえばがんの薬物療法を行うのが主たる仕事なので逆説的ですが、腫瘍内科の民代さんが抗がん剤治療をしないことを決めた今回の画面が今までのアライブでもっとも「腫瘍内科らしい」仕事をした場面だったように感じました。
気が向けば続く
気が向けば続く。3月5日放送の第9回は、次回予告をみると「妊娠継続できるかどうか」という葛藤の場面があったようなのでHPVワクチンの問題が出てくるのかと思いましたが、どうやら子宮頸癌ではないようです。
それにしても、ウィッグを新調してからの佐倉さんメチャかわいいですね。👍です。
この記事に対するコメント
このページには、まだコメントはありません。
更新日:2020-03-01 閲覧数:1528 views.