続・ベバシズマブの投与時間は本当に初回90分かける必要があるのか問題
昨年10月にベバシズマブ(アバスチン)の投与時間は本当に初回90分かける必要があるのかということに関する記事を書いていました。その後にさらに情報収集を続けたところ、国内でも同様のクリニカルクエスチョンを元に実施されている研究がありましたので補足します。
これが昨年秋に投稿した、今回のもとになる「ベバシズマブの投与時間は本当に初回90分かける必要があるのか問題」の記事です。

国内で実施されたベバシズマブ30分投与についての研究報告
国立がんセンター中央病院および同院へ留学されていた先生方が2014年に文献を発表されています。この研究では58人の患者に初回から30分でベバシズマブの投与を行ったが、Infusion Reactionなどの有害事象はなかったという報告になっています。

他の現在進行中?の研究
上記はAnticancer Researchに結果が出ていますが、そのほかにもいくつかの研究がなされているようです。
1つめはこちらの臨床研究情報ですが、まだその結果は発表されていないようです。日本医科大学武蔵小杉薬剤部の主導する研究ということは、薬剤師さんがデザインされているんでしょうか。
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?recptno=R000020787
もう1つも2015年から開始されているものの、まだ結果が発表されていないようです。
https://rctportal.niph.go.jp/en/detail?trial_id=UMIN000025748
Infusion reactionの頻度がある程度あるトラスツズマブはともかく、ベバシズマブもラムシルマブも初回から30分投与でも十分に安全性が保たれる印象がありますので、これらの研究が進んでデータ集積が進むことを期待しています。
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更新日:2021-02-06 閲覧数:1741 views.