はじめに
GIST(消化管間質腫瘍)
- カハール介在細胞(interstitial cells of Cajal)の前駆細胞由来の間質腫瘍。
- カハール介在細胞ではKIT(c-kit遺伝子)が発現している。
- カハール介在細胞は消化管自発運動のペースメーカーとして働いている。
−なお、カハールは第6回ノーベル医学生理学賞の受賞者だがカハール介在細胞とは関係ない業績で受賞している(ニューロン説での受賞)
発生部位
- 発生部位は胃が60~70%と最も多く、小腸は20~30%、大腸と食道は約5%。胃癌側から見れば胃癌の2〜3%、小腸腫瘍の14%程度。(GIST研究会)
- 50〜60代に多い。
- 100万人あたり20人/年程度の発症頻度
- 壁内発育型、管内発育型、管外発育型、混合型がある。
家族性
- 遺伝性GISTは数家系が報告されている。発症年齢は30〜50代が多い。
- 小児での発症はまれながら、カハール介在細胞の過形成を伴っており先天的・遺伝的要因が考えられている。(GIST研究会)
診断
- GISTの約90%以上でKIT蛋白の発現。ほかにPDGFRα蛋白の変異が見られることも数%ある。また、非常にまれながらKITとPDGFRαの両方に異常がないものも存在するとされている。
悪性度
GISTは良性悪性の区別が難しく、再発リスクの高い低いで分けられる。
NIH-FletchercriteriaforGISTriskassessment
分類 | 腫瘍径 | 細胞分裂像数 |
超低リスク | <2cm | <5/50HPF |
低リスク | 2〜5cm | <5/50HPF |
中リスク | <5cm | 6~10/50HPF |
中リスク | 5〜10cm | <5/50HPF |
高リスク | >5cm | >5/50HPF |
高リスク | >10cm | Any Mitotic Rate |
高リスク | Any size | >10/50HPF |
細胞分裂像数=高倍率視野50視野当たりの細胞分裂を示す腫瘍細胞数
この記事に対するコメント
このページには、まだコメントはありません。
更新日:2019-12-27 閲覧数:1194 views.