レ点腫瘍学ノート

Top / 日記 / 2023年 / 3月25日

分娩の保険適用についてのメモ

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政府は、出産費用を将来的に公的医療保険の適用対象とすることを検討しています。現在は正常分娩に保険が適用されず、出産育児一時金で個人の負担を軽減しています。一時金は4月から50万円に増額される予定ですが、医療機関側の便乗値上げを警戒する声もあり、保険適用を通じて費用上昇を抑えることを目指しています。

出産費用、将来の保険適用検討 個人負担を軽減 - 日本経済新聞
政府は出産費用について将来的に公的医療保険の適用対象とする検討に入った。現在は正常分娩であれば保険が適用されず、代わりに出産育児一時金を支給して個人の負担を軽減している。一時金は4月から50万円に増額されるが、医療機関側の便乗値上げを警戒する声もあることから、保険適用の対象として費用の上昇を抑える考えだ。3月末にまとめる少子化対策のたたき台に盛り込む方向だ。適用開始をめざす時期は固まっておらず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA24BKU0U3A320C2000000/

分娩をDPC入院で扱うとどうなる?

分娩が保険適用となった場合、DPC病院はどのように変化するのでしょうか?パス運用は可能でしょうが、DPC入院の制度が適用されると現在と比べて分娩の入院期間は短くなることが予想されます。

入院期間の短縮だけでなく、大部屋や普通食などのマタニティサービスも大幅に変化することが考えられます。一部の民間病院では産科病棟用の差額ベッドを利用して高額化を目指すかもしれませんが、公立や中小病院では分娩に関する収益が減り、分娩を取り扱わない病院が増える可能性があります。

「コロナ診療が5類になる」ということが、コロナの診療が増える病院につながると考えられていましたが、実際には発熱外来や専用病棟の閉鎖により、受診・入院のハードルが上がることが予想されています。分娩が保険適用となるのはちょうどこれと似た状況を生みかねないと感じます。受診者にとっての負担を軽減しようとした結果、それに答える事業者が撤退し、かえってもとよりサービスが低下することに繋がりかねません。このように、分娩が保険適用となることで、コストカットによる産科の減少が進み、産む場所がなくなるという結果がもたらされる可能性があります。

仮に同額に設定されたとしても、現在の出産育児一時金方式から健康保険適用で3割負担になると、実質的な値上げになる人が増えるのではないでしょうか?例えば、出産育児一時金が42万円だとすると、分娩費用が60万円以下であれば3割負担の方が高くなり、個室に入ると差額ベッドによってさらに費用が増えることになります。

保険適用の導入により、医療費の透明性が向上することも期待されますが、実際の効果や影響については、今後の議論や検討が必要となるでしょう。また、病院側の対応やサービスの変化も注視する必要があります。分娩の保険適用がもたらす影響は妊婦にとっては厳しくなるかもしれないことが、どうも楽観視されているのが少し気がかりです。分娩が保険適用になることで得られるメリットやデメリットを十分に検討し、適切な制度設計が求められます。


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更新日:2023-03-25 閲覧数:227 views.