疫学
ヘリコバクター・ピロリ感染の減少
感染率は1950年代は20代でも80%
2010年には50代で30%、2030年には10%と予測される。
そのほかに、50-60代の喫煙率が40%(2016年)と低下している
塩分過剰摂取の影響も言われているが、塩分摂取の多かった東北では減塩介入によって脳血管障害が減って寿命が延びた分、胃癌を含む悪性腫瘍死亡数は増えた。
除菌による胃癌リスク低下
アジアを含む6研究のシステマティックレビュー
除菌により相対リスク0.66
- BMJ 2014 g3174 Ford et al.
早期胃癌内視鏡治療後の二次胃癌抑制
HR 0.32
- NEJM 2018 1085-1095.
除菌後のバレット食道癌が増えないか?
食道癌の組織分類では以前はSCCの95%であったが今は90%で、腺癌が増加傾向にある。
胃癌分子サブタイプ
TCGA
Nature 2014 202-209.
EBV, MSI, GS, CINの4つに分類
タイプ | 特徴 | 推奨治療 |
EBV | 若年 男性 CpGアイランド高メチル化(CDKN2A発現抑制) PIK3CA変異 9p増幅(JAK2発現亢進、PD-L1/L2発現亢進) | PI3K阻害剤 JAK2阻害剤 免疫チェックポイント阻害剤 |
MSI | 高齢 女性 CpGアイランド高メチル化(MLH1発現抑制) hypermutation mitoic pathway活性化 | 免疫チェックポイント阻害剤 |
GS | 若年 びまん型 CDH1、RHOA変異 CLDN18-ARHGAP融合遺伝子 細胞接着因子活性化 | 推奨治療なし |
CIN | 食道胃接合部癌 TP53変異 RTK-RAS増幅 細胞周期調節因子の遺伝子増幅 | RTK阻害剤 抗RTK抗体 細胞周期阻害剤 |
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更新日:2019-12-03 閲覧数:545 views.