文書管理にGitHubを活用する
みなさんは日々の仕事で、どのようにファイルを管理していますか? Dropboxを利用している方も多いと思います。私自身もDropboxを利用していますが、実は2-3年前に、大切なPowerPointファイルが一斉に消えてしまった経験があります。それ以来、私はほとんどのファイルをDropboxに保存しつつも、完全には信用せず、自宅のPC、職場のMac、家のNAS、そのNASに接続した外付けHDDなど、あちこちにバックアップを取るようになりました。
GitHubをバックアップツールとして使う
しかし、先週からGitHubをバックアップとして活用することにしました。コマンドを直接打てなくてもGitを使いやすくする支援アプリであるSourcetreeを併用して、自宅PCにファイル管理のデータベースとなるローカルリポジトリを作り、GitHubに差分ファイルをどんどん保存しています。もちろん、理想的には、PowerPointのようなファイルがページ単位でコミットのたびに差分を取れたらよいのですが、それはやむを得ません。とにかく、ファイルを貯めておけば、Gitを使って履歴を辿ることができます。
私が次によく使うのは通常の文書ファイルですが、私はWordが嫌いです(MacのF10で半角英数変換ができないし、iPadからの編集も面倒だからです)。そこで、シンプルな文章はMarkdownで書いています。これはGitHubと相性が最高です。どの行を何日に書き足したかが一目瞭然です。
自宅のPCと職場のMacのメインのフォルダはDropboxで同期していますが、.gitや.gitconfigをDropboxに入れて自宅と職場の両方からプッシュやプルをすると同期がおかしくなったため、Git操作は自宅のPCからだけ行うことにしました。それでも、履歴は非常に取りやすいので重宝しています。
GitHubは、改造Pukiwikiやそのプラグインの置き場、家業のWebサイト管理などに使ってきましたが、プライベートリポジトリを使えば、ビジネス文書の履歴保管にも非常に便利です(ただし、企業の守秘義務があるファイルを置いて良いかは、各自の職場で相談してください)。
SourceTreeを使ってGitとGitHubを始める
では、GitHubをどのように使い始めるのでしょうか?まずは、GitHubとSourcetreeをインストールします。GitHubは、開発者がソフトウェアを共同で開発するためのコミュニティを形成するためのプラットフォームで、Sourcetreeは、Gitの操作をGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で行うためのツールです。インストールが完了したら、GitHubで新しいリポジトリ(フォルダ)を作成します。このリポジトリは、ファイルの履歴を管理するためのものです。重要なリポジトリはプライベートに設定し、READMEファイルは自動生成するように設定します。
しかし、"GitHubって何やねん!"や"コマンド使うのは敷居が高い!"という方もいるかもしれません。そのような方には、Sourcetreeを使うことをおすすめします。そして、まずは以下のサイトやYouTubeを参考にしてみてください。
エラーが出たときの対処法
GitHubは、時々エラーが出ることがありますが、その際にはエラーメッセージをChatGPTにコピーして「どうすれば良いですか?」と聞けば、ChatGPTが対処法を教えてくれます。すばらしいですね!
複数人数での共同編集にも最適
GitHubはチームでソフトウェア開発に使われることが多いですが、それだけでなく、複数人数による同時編集と履歴管理に非常に強いです。ラボでプロトコルやマニュアルを共有したり、実験ノートのように使ったり、論文の筆頭著者と指導医と校正者の同時作業など、テック系だけでなくバイオ系アカデミアでも活用の余地があります。
とにかく、GitHubは文書管理・ファイル管理には非常に強力なツールです。それは、私がDropboxで経験したような事故を防ぐだけでなく、バージョン管理と共同作業を円滑に行うための強力なツールです。これを使わないのはもったいない、もっと早く知りたかったです。
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更新日:2023-05-29 閲覧数:1229 views.