update2014
疫学
肺癌死亡数は2012年には71,518人で癌死亡の第1位を占める。男女別では男性は1位、女性は大腸癌についで2位である。
罹患率では男性では胃癌に次いで2位、女性では乳癌・大腸癌・胃癌についで4番目である。
危険因子では喫煙が最重要(とくに扁平上皮癌と小細胞癌において)。腺癌は喫煙との関連は肺癌の中ではやや薄い。
喫煙者の肺癌発症リスクは非喫煙者に比べて、男性で4.4倍、女性で2.8倍。受動喫煙者は完全非喫煙者に比べて1.3倍の肺癌発症リスクを有する。
そのほかには、大気汚染(多環芳香族炭化水素・重金属・アスベストなど)
組織型別割合
最も多いのは腺癌で、肺癌の男性の43%、女性の67%が腺癌である。(大阪府がん登録データ1999-2003)
日本人の功績
肺癌研究における顕著な功績として以下のものがあげられる。
山極・市川によるタール塗布による世界初の化学発癌モデル作成
池田茂人らによる軟性気管支鏡の開発
EML4-ALKの発見(Nature 2007; 448: 561-566)
UGT1A1がイリノテカンの毒性と関与していること(Cancer Res 2000; 60: 6921-6926)
個別化医療総論
【WJTOG3405試験】(Lancet Oncol 2010; 11: 121-128)
EGFR変異を伴うNSCLCに対する、ゲフィチニブ vs GEM+DOCでゲフィチニブの有用性を示した。
【】(NEJM 2010; 362: 2380-2388)
EGFR変異を持つNSCLCに対するゲフィチニブの有効性
EGFR・EML4-ALKに関しては進行期NSCLCに関しては治療前に測定を行い、その上で治療選択を行うことがガイドラインにも明記され、かつ保険承認されている。
将来の個別化治療のターゲットとしては、ROS1変異やRET変異が注目されている。
【JCOG0701】
S1+CDDPのDOC+CDDPに対する非劣性P3試験。まだ論文になっていない(2015/3月時点)
【EGFR変異】
腺癌・アジア人・女性・非喫煙者に多い。全体で49.7%(愛知県がんセンターデータ)だが欧米人では少ない。
EGFR変異とゲフィチニブに対する反応性の相関(Science 2004;304:1497-1500)
ゲフィチニブのNSCLCに対する治療効果とEGFR変異の関係(NEJM 2004;350:2129-2139)
【ALK融合遺伝子】
ALKは未分化大細胞型リンパ腫より同定されたが肺癌で融合遺伝子を形成することが後に報告された。(NEJM 2010;363:1693-1703)
全体の5.3%(愛知県がんセンターデータ)
Bevacizumabは肺扁平上皮癌には喀血のリスクが高いため使用しない。
悪性胸膜中皮腫
アリムタ・シスプラチンの有害事象、マンニトール、制吐剤
葉酸とビタミンB12を補充すること
この記事に対するコメント
このページには、まだコメントはありません。
更新日:2019-12-03 閲覧数:1024 views.