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うまいケースレポート作成のコツ

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日本の医者は忙しい。しかし論文も書きたい。

日本の医者は忙しい。日中は手術に外来に忙殺され、ゆっくり昼食をとる時間も無い。日が暮れて定時を過ぎても溜った仕事はなかなか片付かず、家に帰ってもしばしば職場からの電話が鳴っておちおち休めない。月に何度かは当直医として病院に泊まり込んで、ときに睡魔と闘いながら働いている。当直明けにはゆっくり自宅で休養、ではなくもちろん翌日の仕事が待っている。となると日常業務に追われてゆっくりと自己研鑽のための勉強をする時間を確保するのもままならない。そして、そこにたたみかけるように降って湧いてくるのが学会発表と論文執筆の仕事である。

学会発表では周りの上級医も発表経験豊富なので面倒見が良いし、今のところ多くの国内学会でも日本語での発表が許されている。何よりも学会発表には演題登録にも発表本番にも「締め切り」があるので土壇場での追い込みが効くし、どんなに準備が不十分であっても壇上での数分間を耐え抜けば全てから解放される。

しかし論文執筆はそうはいかない。大学受験生の頃は英語が得意科目だった人でさえも、今は英語を読む機会は多くても英文を書くことにはすっかり忘れてしまって苦手意識が付いてしまっている。学会発表のときはあんなに面倒見が良かった指導医も英語論文となると雲隠れしてしまい、代わりに手取り足取り教えてくれる人も周りにはいない。学会発表と違って締め切りがないので油断しているとあっという間に進捗がないまま数ヶ月が経ってしまい、下手をすれば書きかけの原稿はそのままパソコンの中でお蔵入りである。しかし来夏には◎◎専門医認定試験を受けよう思うので、それまでに1本はケースレポートを書かねばならない。

そういう境遇にある若手医師は日本中に数千人いるのではないかと思われるが、そういう人たちにこそこの一冊を勧めたい。本書にはケースレポートを書く上で必要な著者が長年の経験から獲得した技術が明快に書かれている。ケースレポートを書くための個々のノウハウには著者が特徴的なネーミングをしてあり、一読しただけでも頭にすっと入りやすい。非常に参考になると感じたのは「臨床的5大特徴」「Introductionの三段論法;known、unkonwn、problem(hypothesis)」「discussionの2つ発見法」。この3つを意識してから書き始めるだけでもケースレポートの骨組みは決まったも同然だ。ケースレポートでも主張したいことを的確に伝えることができるようになるため、論文を書きやすくなるだけでなく読む側にも伝わりやすくなる。松原門下生はおそらく日常的にこのような論文執筆のノウハウを直接指導されているのだろうから非常に羨ましいことだが、それを松原門下生以外も学べるようにこのように書籍として出版されているので、とても有り難いことだ。

ケースレポートを書くための「型」を必勝パターンにする

もちろん本書が教える「型」は数多くあるスタイルのうちの一つの例であるから、ケースレポートを書く際に常にこの方法に従う必要はない。しかし、どのような形式でケースレポートを書けば良いのかわからない、しかし手元にある症例は手早く効率的にこなれたケースレポートに仕上げたいという場合は、本書が指南する手順に沿って定石を学び、文章展開の型を意識して文章を展開してゆくのが手堅いケースレポートの書き方になるだろう。

個人的にもう少し充実してほしいと思ったのはカバーレターの書き方。英語論文を指南する書籍はたくさんあるがケースレポートの書き方を指南するものは稀有である。カバーレターを書くのは簡単なようでいて、実は論文として世に出てこない部分なので他の人が書いたカバーレターを見る機会も少なく、著名なactive writerたちがどうやってカバーレターを書いているのかはわからない点が多い。もし今後改訂版が出るとしたら、ぜひ松原流のカバーレターの書き方も指南してもらいたい。

そして本書の最大の難点は、あまりにもケースレポートの書き方が明快かつ直球的にまとめられているために、本書が若手医師の間で人気書籍となればなるほど世の中に松原流の「2つ発見法」などの文章構造で書かれたケースレポートが増えてしまうことである。このケースレポートの書き方が広く普及してゆくと、いずれ査読者に「この著者は松原先生の『ケースレポート作成のコツ』を読んだのだな」とバレてしまうことだろう。もちろんケースレポートの品質という意味では査読者に本書の読者であることがバレるのは一向にマイナスにはならないので、ケースレポート作成に悩んでいる若い医師は(若くない医師でも可)ぜひ本書を手にとってみてほしい。

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更新日:2019-12-24 閲覧数:2524 views.