レ点腫瘍学ノート

Top / 日記 / 2021年 / 10月12日

病院の外来診療について思ったこと

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上層部から、総合病院でなくてもいい疾患を近隣のかかりつけ医に逆紹介しろという指令がきて、退職した前任者から引き継いだ人に懇々と説明して逆紹介しています。でも、地方でもおそらく都市部でも「特に理由はないけど大きな病院に定期通院したい」という人が多いので、そういう人に懇々と話をして地域のクリニックなどに半ば強制的に逆紹介をするようになると、そのたびに不満の目を向けられ、そして少なくない人から恨まれているように思います。

最近は地方都市でも総合病院・基幹病院と亜急性期・療養型病院やクリニック・診療所との役割分担や棲み分けがよく言われるようになってきて、こんな田舎でも総合病院でcommon diseaseを長期フォローするのは避けるようにというプレッシャーが強くなってきています。これは担当医が決めたわけではなく医療の高度化の結果としてそうならざるを得ないためで、どうか担当医に不満の目を向けたり恨みの感情を持ったりしないでください。

しかるべき病気があり治療の必要性があるなどの理由があれば再度紹介受診していただけば今まで通りの診療を受けることができます(逆に言えば総合病院にかかるためのしかるべき病上面の理由がない方はいくら通院を続けたいと希望されても終診となり、「大病院にかかりたい」という理由だけで定期的な通院をすることは今後はできなくなります)。


そういえば一昔前は、大学病院は外来を廃止しろという意見が注目を浴びたことがありました*1。極端な意見と取られたり、現実的にはDPC制度の下では大学病院も入院日数を短縮することが重要視されたために外来診療無しで入院で全ての治療を完結することができなかったりで、結局はこの案は実現に至ることはありませんでした。まぁ一理アリだと思う点もなくはありません。外来があるから大学病院が抱えなくてもいい仕事を抱えてしまっている面があるのは否めないからです。

昔、MDACCの上野先生がどこかの講演で「私の病院では、weekly PTXをきっちり高いレベルで実践しようと思えば、もちろんできます。でもしません。基幹病院の仕事はガイドライン通りweekly PTXをやることではなく、ガイドラインに何を書くかを決めることだからです」と仰っていたことがありました。日本の医療情勢では、たとえ大学病院であってもそこまで突き抜けた考え方を実行に移すのは難しいけれど、基幹病院で働くからにはそういう志をどこかに持ち続けることは大切なんだとは思います。

そういうことを色々と考えながらも、今日もまた淡々と仕事をこなすのみ・・・。


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*1 https://www.nira.or.jp/pdf/taidan3.pdf

更新日:2021-10-12 閲覧数:434 views.