新型コロナ陽性となった患者の手術を延期すべきか問題
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るって全国各地の医療機関で通常の診療体制を維持するのが難しくなっていますが、手術予定の患者が新型コロナウイルス感染症に罹患した場合の手術をどの程度延期すべきかについては日本麻酔科学会や英国の推奨が出ているようです。
手術予定患者さんがコロナに感染されたら...進行度によるとは思いますが...
— 国立がん研究センター東病院 呼吸器外科 肺癌トピック (@haigan_geka) August 21, 2022
・コロナ感染後の待機手術の推奨時期
日本麻酔科学会や英国の推奨では7週間という期間が推奨されています。
(感染伝播の観点というより、感染後早期の手術は術後の予後悪化と関連するとの報告があるため。)
一方で、がん薬物療法についてどの程度延期すべきかについては知る範囲では国内の学会などから推奨は出されていないようです。海外に目を向けると2021年3月にNCCNガイドラインが発行されており、それによると下記のような基準があるようです。
- 軽症と中等症では、発症から10日間は延期する
- 重症では、発症から20日間は延期する
- 無症状の陽性者では、PCR検査陽性となった日から10日間は延期する。なお症状が出現しないかどうかについて14日間継続して観察する。
一方で、その下の注意書きに、コントロール不良のがんにより治療を急ぐ局面であり治療の延期が望ましくない結果をもたらす恐れがある場合は、担当医の判断によって延期なく治療を始めてよいという付言もあります。
また、新型コロナウイルスの陰性を確認するためにPCR検査などを反復して行うことは好ましくないとも書かれております。
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更新日:2022-08-22 閲覧数:578 views.