遺伝子パネル検査関連の最近の動向
遺伝子パネル検査の最近の動きについてメモしておきます。
大塚製薬の「ヘムサイト」:初の造血器腫瘍遺伝子パネル検査
大塚製薬は、日本初となる造血器腫瘍に特化した遺伝子パネル検査「ヘムサイト」の製造販売承認を取得しました。この検査は、末梢血、骨髄液、組織、体腔液などから抽出したDNAやRNAを用い、塩基配列情報を取得するものです。成人および小児の造血器腫瘍や類縁疾患が対象となりますが、詳細な適応範囲についてはまだ明らかにされていません。保険適用までには少し時間がかかる可能性があり、参考として固形がんの「NCCオンコパネル」や「FoundationOne CDx」は、保険償還まで約6ヶ月を要しました。
GOZILA Studyから生存期間延長の報告
約4,000人の消化器癌患者を対象に行われたGOZILA Studyでは、Guardant360 CDxを用いた遺伝子解析の結果、24%の患者が標的治療を受けられ、生存期間が延長することが報告されました。この研究結果はNature Medicineに掲載されました。
なお、Nature MedicineにはCIRCULATE-Japan GALAXYの結果も掲載されていてESMO 2024でも発表されています。この2本のNature Medicineの結果は両方共が国立がん研究センター東病院の中村能章先生が筆頭著者になっています。
Guardant360 CDxの再検査
検体のctDNA不足などが原因でGuardant360 CDxで遺伝子異常がレベル1(コンパニオン診断)からレベル2〜4(コンパニオン診断以外)まで全く検出されない場合は、28日以内に再採血して提出すれば1回に限って再検査をしてもらうことが可能になるようです。
NCCオンコパネル検査後に残余検体でMLPA法・シングルサイト検査が実施可能に
NCCオンコパネル検査後、残余検体を利用して追加検査を行うことが可能になりました。NCCオンコパネルは単体でもGermline遺伝子異常を確定することが可能ですが、遺伝子異常の種類によって疑いに止まる場合のシングルサイト検査の追加や、PGV未検出だが遺伝性腫瘍を強く疑う濃厚な家族歴がある場合などのMLPA法の追加を、再度採血を行うことなく残余検体DNAをファルコに委託してそのまま検査することが可能になっています。
https://toeb.cdn.msgs.jp/23cg/toeb/2024/NOP_seamless.pdf
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更新日:2024-09-20 閲覧数:370 views.